710

破滅の法則
黄昏が囁いた
君の居ない地平
世界一愚かな獣
甘く軋んだ心臓
彼の形をした死体
愛しさに抱かれる
ここにキスを落とす
唆されてくれるかい
星月夜での再会を
ほしづくよ…星の光が月のように明るい夜

720

眠りに落ちた地球で
無様な失敗者の態で
薄汚い足跡を残しながら
夢を紡ぎ愛を吐いた少女
適切な言葉がこの世になく
いつか君は僕を嫌いになる
望めば何にでもなれるだろう
如何なる手管を用いようとも
その頃の私にはひどく魅力的で
小夜更けて、月嗤ひ、細胞は眠る

730

切なさに癒着する
男という生き物はね
僕の好きな人に似てる
そっと頬を撫でてやる
見上げた空は狭かった
戦って死んだあいつら
苦しみながら死のうか
そう言って足の甲を舐めた
大好きなあの子は大嫌いな奴と
世界のあらましを知った気になって

740

それから三度目の夜
意識を誑す肉体
憂うつ前の喪失劇
星の体温で深く眠って
シロップ漬けの天使
恋を語り愛を騙った君へ
さよなら以外の最後の言葉
微笑んでおやすみを言うために
きみの歌声とセックスしたい
忌み日に産声をあげた故のこと

750

涙に濡れた睡余
晩夏のかすがい
溜め息は再び眠る
誰も悪くない悪事
神ではなく君に誓うよ
のべつまくなし世の欲望
あの頃、柔らかい朝の中で
紫陽花の咲く丘にて君を待つ
秒針が失われても誰も困らない
いかにも曖昧性を気取った文句

760

罪を暴く
罪が何かも知らないで
罰を与える
驕りが過ぎた神の如く
死が救済だと思わせる
春よ、退屈とともに
日々は涙で符合する
お前のそれも嘘だらう
瞳を閉ざして海を見よ
今日こそは素晴らしい一日を

770

夢の切ないところで
タイムアウトの続き
未来に死んだ僕ら
烏滸の沙汰
心が分裂したようで
愛情が明日を阻む
認めないことで自己を保つ
心に居座る君はいつ死ぬのだろう
あなたが不幸になりますように
幽けき君には夕焼けが似合う
かそけき…今にも消えてしまいそうなほど薄い、淡い、あるいは仄かな様

780

一緒に終末を過ごしませんか
きみはあいつの劣化版
恐らく五秒後に忘れる真理
わたしの温もりを忘れないで
舌なめずりは見逃してあげる
消えるものだけ愛してしまう
思い出す度に心が痛みますように
庇護されるのは壊れた玩具の役目
安っぽいワインと最高級の星空で
目覚めの寂寞を消したかっただけ

790

星空、恋人、合鍵
二文字で仕上がる恋の始まり
それはまた素敵な理屈
君という永遠
僕の一秒後に死んでくれ
愛しすぎた欲望の末路
夏の空のように愛したかった
霧散する叫びは誰のもの
依存、欲望、執着
二文字で沈んだ愛の終わり

800

あとはトドメを刺すだけ
それは跪くような愛だった
目を瞑げばすぐに終わる
僕の胸を劈いて消えた君
二度と消えない傷だけ残して
もう手遅れかも知れないのだけど
光の届かぬ世界でふたり
最悪の音質で叫ぶのさ
この殺意は簡単に崩壊します
私が捨てた心を君が拾いあげる

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